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科目別使用教材-倒産法

① 破産法・民事再生法(伊藤)
制度趣旨など基本的な考え方がしっかり説明されているし、論点の解説も詳しいので、倒産法の理解のためには良い本だと感じた。ただ厚すぎるので、通読はできなかったし、直前期に読み直すということもできなかった。大事な部分は何度も読んだ。


② 倒産法概説
やや舌足らずで理解しづらい部分が多いと感じた。理解した後で使うまとめ本みたいな使い方をすればいいのかもしれない。


③ 倒産処理法入門
ざっくり倒産法とはどういうものかを把握するのに使った。未知の分野を勉強するときには、まずこのような全体を概観でき、かつ、その法律の基本的な発想を説明してくれる本を読んでおくと、学習が進みやすいと感じる。


④ ロースクール倒産法
これをしっかりやっておけば本番には十分対応できるという印象。私が本番で失敗したのは問題文の事実関係の勘違いを2つやってしまったからで、ロースクール倒産法や①ないし③で対処できないという訳ではない。


⑤ 百選
④をやる過程や講義で扱った判例についてだけ読んだ。試験対策としては全部読むのはコスパが悪いと思う。



※ 倒産法演習ノートは時間がなくてできなかった。時間があればやっておいたほうが良いと思う。知識を入れるため、というよりは、事案分析力の向上のために。
 手続について、きっちり条文を上げて説明できる訓練をしておくべき。私もある程度やっていたが、条文を覚えきれないなぁ、苦手だなぁと思っていた某手続が出てしまって苦しんだ。苦手ならばこそ、何度も何度も繰り返してきっちり頭に叩き込むべきだったと後悔している。
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科目別使用教材-刑事訴訟法

① 刑事訴訟法講義(池田前田)
公判と証拠法について。書き込みしつつ使った。捜査部分もある程度読んだが、それよりも判例と後述の酒巻教授の連載に頼っていた。


② 酒巻「刑事手続法の諸問題」法学教室283~306
刑訴法のものの考え方の修得に役立つ。絶対に目を通すべきだと思う。


③ 演習刑事訴訟法
これも刑訴法の理解を深められるとてもよい本だった。ただ「演習」としてはやや物足りない。事例問題の訓練というより、刑訴法の理解を深める本かもしれない。


④ 百選&ケースブック刑事訴訟法
百選を何度も読み込んだ。ケースブックも、判例の法律構成や事実の評価を分析する上で必要な限度で読んだ。ケースブックの証拠法の問題にもある程度目を通してみた。


⑤ 捜査法演習
長文事例問題になれるために直前期に使った。全部解いている時間はなかった。


⑥ 旧試過去問
LIVE本が使えなかったので、普通にWセミナーのもので解いていた。



⇒ 今振り返ると、刑訴法は明らかにinput学習に偏りすぎていて問題演習不足だったと思う。そのため、長文の問題を分析することへの対策を十分に練り上げた上で自分の身にしみこませるということができなかった。今思えば、試験前に立案しておいた考え方で十分に解けたと思うのだが、その考え方が自分の中で常識化していなかったがために、時間不足気味になって焦りだしたときにその考え方が頭からすっ飛んしまっていた。その結果、論点にひっぱられてしまって、失敗したのだと思う。


⇒ 刑訴の捜査は毎年比例原則のあてはめが出ている。強制処分と任意処分とその限界の議論、111条の必要な処分など。証拠では、何が立証対象なのかということをきっちり認定して、それとの関係で証拠法則がどう働くのか分析すること、さらに、伝聞例外ということになれば、特信性をまずはしっかりその意義内容を解釈して、事実を積み重ねてきっちりあてはめられること、など。

科目別使用教材-刑法

① 刑法総論講義案(司法協会)
わかりやすく書かれているので理解しやすい。まずスタンダードな考え方を身につけるのに良いと思う。足りない部分は他の本で補充すればよい。


② 刑法各論(西田)
すっきりまとまっているので使っていた。簡潔にまとまりすぎていて理解できない箇所もあった。行為無価値の人が使っても問題はないと思う。


③ 刑法(山口)
新司法試験として大事な話はかなり網羅されているように感じる。ただ、本の性質上、そこまで説明が丁寧ではなわけではない部分が多い。逆に言えば、この本で丁寧に説明されているような部分は超重要なことなのだろうと考えて、しっかり読んでおいた。


④ 大谷「刑法講義総論・各論」、井田「講義刑法学・総論」
辞書的に使っていた。井田先生の本はとてもよい本なんだろうなと感じるけれど、難しくて読むのに時間がかかると思う。個人的には、いきなりこのような学者の本を読むより、①を読んだほうが理解が早い気がする。


⑤ 刑法総論の思考方法・刑法各論の思考方法
問題の本質を探り出して、それに回答する、刑法の思考方法の修得のために。
著者のおっしゃるとおり、教科書の行間を埋める本。何度も読んだ。


⑥ LIVE過去問
解説がちょっとイマイチだと思う。少し批判的な目を持ちつつ読んだ方がいいかもしれない。


⑦ 刑法事例演習教材
時間がなくてあまり解けなかったが、特定の論点の発見(抽出)&分析(解釈)&解決(あてはめ)の訓練にはなると思う。旧試には出ていないが新試には出やすいだろうと思われる論点や、事実認定の勉強になるので、⑥を補完するものという印象。解説の性質上、法律構成の訓練には使いづらいので、法律構成の訓練(答案構成力の養成)は⑥の方がやりやすいと思う。


⑧ 百選&判例刑法総論・各論
最高裁判例や、重要な下級新判例に限定して読んだ。判例の考え方に近い見解で問題を解けるようにしておくと、本番の問題はときやすいように思う。



⇒ 刑法は、いろんな事実を積み重ねてあてはめるていくような、あてはめが長くなる論点がメインで出る。規範だけでなく、考慮要素・メルクマールがあるような論点(ex.共謀共同正犯と幇助犯、不真正不作為犯、事後強盗の強盗の機会など)。なので、そのような論点をしっかり勉強しておくことが肝要だと思う。

科目別使用教材-会社法

① 前田「会社法入門」
制度の具体例を書いてくれていたり、趣旨が長く説明されていたりするので、理解しやすい本だった。江頭が理解不能なときに読んだ。


② 江頭「株式会社法」
講義にあわせて大体通読したが、それ以降は大事な部分だけを何度も読み返す形。今年の問題も、江頭に書いてあった!と思い出して書いたりしたので、大事な部分をきっちり読んでおくのは有益。理解しづらかったら、①や③に戻ればいい。


③ リーガルクエスト
江頭がわかりづらいときや、江頭や前田を読むだけの時間がないときに読んだ。組織再編などはよくまとまっている。


④ 会社法100問
これに自説を書き込んでまとめノート化しておいた。今年の問題の某規範(○せ○)は会社法100問の該当頁を思い浮かべながら書いた。


⑤ 法学教室の演習
④だけでは事例問題の演習が足りないと思い、法学教室の新会社法以降の演習をいくつか解いた。その中に今年出題されたあまり論文で出そうにないあの問題もあったため、助かった。


⑥ 百選&商法判例集
解説もほぼ全部読んだ。商法判例集はごく一部。


⇒ 平成21年を除けば、①誰もが知っている論点をしっかり法律構成できること、②規範的要件をしっかり解釈してあてはめられること、がまず大事。②については、たとえば任務懈怠について、具体的に「~という行為をしなければならないのに・・・という事実からすると・・・という理由で怠ったといえるから任務懈怠がある」といったように。ここでは、具体的にどのような行為をすればよかったか、というところをきっちり示すのが大事。過失も同様。


※ 補足
 会社法事例演習教材は、講義で少し使った程度。おそらくとてもよい問題集なのだろうけど、解説がないのと、設問が誘導バリバリ過ぎて事案分析力の訓練にならないし、問いの立て方が答案構成力の訓練にならないので使わなかった。
 事例で学ぶ会社法は、時間がなくて1問もできなかった。

科目別使用教材-民事訴訟法

① 民事訴訟法講義案
制度の原理・原則・例外とそれぞれの趣旨、判例・通説を理解していくには使いやすい本だと思う。足りない部分は他から補充すればいい。


② 重点講義民事訴訟法上・下
各制度の趣旨や本質を深く理解するのことができる。具体的な解釈論に行く前の基本概念の説明部分で。論点解説の部分も、論点を発見する思考過程や、論点分析の思考過程を読み取るように読めば、今年の新試のような問題に対処できる思考力養成に役立つと思う。覚えようとして読む本ではない。


③ LIVE民訴
論点の解説がわかりやすくてよい。


④ 解析民事訴訟
民訴の問題を解く思考プロセスの修得に使える。LIVE民訴は、そのような思考プロセスといより、民訴法の解釈論の発想ないし考え方に傾いている。こっちは、実際の問題解決のための思考プロセス寄り。
 

⑤ 百選&ロースクール民事訴訟法
事案をしっかり読むのが大事。


⑥ 肢別本


⇒ 民訴は、要件事実的思考で、まず訴訟物・請求原因・抗弁などを整理できるように。そうすると、主張整理ができる。主張整理ができれば、処分権主義(訴訟物)、弁論主義(主張・立証)のどのレベルに問題があるかが分かりやすくなる。主張整理を前提とした問題はほぼ毎年出ているので、この作業がきっちりできることがまず肝要だと思う。
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