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基本書の話

最近よくどんな基本書を使ったのか、というような質問を受けます。私もそうでしたが、やはり基本書選びにはかなり慎重になりますし、また、悩み深いものでもありますね。
この機会に自分の考えを纏めておくことにしました。今後も何度も聞かれそうですし(9月9日を境に聞かれなくなるかもしれませんが笑)

どの基本書を使ってもいいんだ、というようなお話をする方もいるのですが、明らかにスタンダードでない論述がされた本もありますので、そのような本であると、ちょっとマイナスがあるように思います。

しかし、受験生のシェアが相当あるものであれば、後は好みの問題であろうと思います。そう思うのは、そもそも、基本書は一冊だけでどうにかなるものではないと思うからです。もとより、1冊だけで理解しきることはできないので、他の本なり論文なりに当たって理解して行く必要がありますし、全ての論点を網羅した便利な本などこの世には存在しないので、同じく他の本なり何なりを参照して、論点を補充していく作業をすることになります。そうすると、何度も参照もしくは通読すると決めたメインの本に、右の作業で得た理解なり論点なりを書き込むとか何かをすれば、それで十分だと思うんですよね。要は、メインに据えた本に足りないものは何かを適切に把握して、それを補充すればいいわけです。
(たとえば、内田民法では要件効果がハッキリしていないから、択一六法で要件効果をみておく、など)
そして、受験生のシェアが相当にあるものであれば、変な記述ばっかりだとか、論点が落ちまくっているなどといったようなことはまずありませんので、メインの本に据えて問題がないといえるからです。要は、スタンダートな記述をした本をメインに据える、ということですね。

あとは、問題演習なり判例を学んでいく過程で、様々な法律上の議論を経験していくことになるので、基本書がどうだから、上手くいかない、というよいうなことはないんじゃないかな、と思います。

また、メインの本を選ぶに当たっては、スタンダードなものか、ということ以外に、各論点について、なぜそのような法律上の問題が生じるのか、という問題の所在の説明があるかどうかということを考慮していました。問題の所在を理解していないと、論点を十分に理解することができませんし、そうすると、適切な場面で適切な問題提起をしてその論点に付き論じるということができないと考えていたからです。例えば、佐久間先生の民法の基礎は問題の所在が丁寧に説明されています。

さらに、各制度の趣旨がきっちり説明されているのかどうか、という点も考慮しました。趣旨から解釈を展開するのが法律論の基本なので趣旨をしっかり理解する必要があるからです。たとえば、会社法であると、前田先生の会社法入門は制度趣旨の説明が丁寧で会社法の基本を理解するには良い本だと思います。

以上の観点から、基本書選びは迅速に済ませていました。基本書で悩み続けて次々に変えたりしていると、勉強が進みません。何冊かちょっと読み比べてみてメインの本を決めたら、その本を中心にどんどん勉強していくのがよいように思います。

私は債権総論がいまいち苦手で、よい本があればわかるようになるなどと思っていろんな基本書を渡り歩いてしまいました。

内田⇒潮見⇒淡路⇒中田

といった具合です。おかげで、最終的にメインにすえた中田を繰り返し読む時間をあまりとることが出来ず、他の分野に比べて、理解が乏しいままになってしまったような気がします。ですので、できるだけ早くメインの本を決めるのがよいと思います。


まとめると

①スタンダードな内容(=受験生のシェアが相当ある)で、
②問題の所在の説明がしっかりされている
③制度趣旨の説明が丁寧
な本をメインに選び

④その本の弱点を適切に把握して
⑤弱点部分を他の本などで補う

ということですね。
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勉強再開

たとえ今年受かっていても、自分の力が法曹として一線で活躍していくにはどう考えても力不足なので、勉強を再開しました。

とりあえず、受験勉強中まともに勉強できなかった不法行為法と刑法各論(おい)を。
不法行為は一年生の時に集中的にやって以来、
そのときの記憶の残滓で戦っていたようなものです。
吉村先生の新版が要件事実を交えているとのことで、それが非常に興味があるのですが、
とりあえず、摘み読みしかしてなかった潮見不法行為法で。

刑法各論は、西田先生。2回試験では通貨偽造がでたとか聞いたんですよね。
頻出の罪以外はざーっと択一用にしかやっていないので、みっちり構成要件を勉強しようと思います。

法学セミナーの新刊では、宍戸准教授(東大に帰還なされましたね。さすがです。おめでとうございます。)の連載が、適用違憲について非常に整理されたうえ、いかにして問題に使っていくかを説明されていて、来年以降の受験生には僥倖な内容になっていました。それと同時に、この2年間で、同准教授の連載とそこに示されたさまざまな論文を読んで考えたことが正しかったことが証明されて、ちょっとほっとしました。

法学教室では高橋宏志先生の連載が始まっていたので、コピーしてきました。
上告については択一用にざっとやった程度なので、興味深く読めました。
というか、上告なんて部分にも、あれだけ解釈論があるんですね。

試験が終わると、発展的な分野に手を出したくなるのですが、
今こそ基礎を固めるときと考えて、とりあえず、民法と刑法をがっちがちにしたいです。

旧試験解き終わり

平成19~21をとき終わりました。
6科目やれるので、飽きなくていいですね。

おーこの裁判例、判例を出すのかーって驚きがあったり、
過去に出たあの論点がモディファイされて出ていたり。
これ新試にも出てるじゃんというのもあったり。

うん、面白かったです。
この中のいくつかは、今年の新試にかぶりそうですね。

重判の刑法

21年度重判を読み始めました。
お風呂や寝る前にちまちまと。

刑法が面白いですね。
最近、正当防衛、過剰防衛がらみが2年連続で面白いのがでてて。
でも、直近すぎて、論文にはでないでしょうけど。

択一にしかでないと思うと
結論さえわかってればいいので
さくさくいけますね。
1科目、せいぜい15分くらいかな。



やっておけばよかったこと

三月中旬から、ようやく百選・判例集読みを勉強に組み込んだのですが、
それをやっていて思うのが、
各事例ごとに、その判例についてのポイントや、学説(自説)などを書き込んだりしておくことの有効性です。

講義で扱った時などに、先生から説明されたことや、勉強したときに気づいたことや、
自説の論証などを一部書き込んであるのですが、それがある判例は非常にやりやすい。
書いてない判例は、簡単なやつならいいんですが、ちょっとややこしいやつだと、
やりづらかったり、この議論あてはめはどうやるんだっけなぁ、とか、判例内在的な理解としての
理由付けはどうだったけなぁとか(判例が理由いってない場合)、自説はどうだっけなぁ(判例と異なる場合)
というのを他の教材でいちいち確認する手間が省けます。

何度勉強しても、やっぱり、人間忘れますから、ある時にわかっていたことが
その後分からなくなるなんてことは当然にある訳です。
だから、有用な情報は書き込むなり、付箋に書いて貼り付けるなりしておくと、
あとですごく楽です。

そして、大方の受験生は、直前期に百選を回すでしょう。
その時に、自説まで書いてあると、さらに有益ですね。
別にまとめノートを作る場合でも、やる価値があります。

これは、日々のローの予習復習の時にやっておくと、本当はいいんでしょうね。
先生のいっていたことを書き込んである判例もあるんですが、
これが結構役に立ちますし。

という訳で、百選に情報集約を物凄くお勧めしておきます。
労力も、それほどかからないでしょうから。
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