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新会社法100問

新会社法100問をすべて解き終わりました。
一昨年には購入してちまちまやっていたのですが
ようやく全部終わらせることが出来ました。

この本の評判はまちまちですが、
個人的には、他の問題集よりも、
まずはこれをやるべきだと思います。

理由(長所)は、
①これ一冊で、会社法の基本をおおよそ修得できる
②教科書では分かりにくい部分がすっきり整理されていて分かりやすい
③問題提起が丁寧で参考になる
④論点抽出がしっかりしているので、事例解析能力の向上に繋がる
⑤論証も相当に丁寧
⑥短答問題数が非常に多い
の6点です。

弱点としては
①解説がない
②答案としては冗長である
③立案担当者の見解である
④誤植が目に付く
といったところでしょうか。

まず、長所の①ですが、
100問もあるので、試験的に大事な部分はほぼ網羅されていると感じました。
落ちている部分もないわけではありませんが、
完璧な本などそもそもこの世には存在しません。
問題集としては極めて優れた網羅性だと思います。

次に②ですが、
例えば、剰余金の配当など、条文がごちゃごちゃしていて
それゆえ教科書もごちゃごちゃしていて、
読んでいるだけでめまいが思想になってくるような会社法ならではの
複雑なシステムの解説も、この本ではすっきりと簡潔に書かれていて
非常に分かりやすいです。

また、③④についていうと、
問題の抽出、その提起の仕方が優れていると思います。
問題を見て思考を展開していく思考プロセスが大事だと
このブログではよく書きなぐっていますが、
それがきっちりとされていてよいです。
思考プロセスの解説はありませんが、問題を見て、
解答をみれば、このような事案では、こういうところが
こういう風に問題となるんだな、という事例解析パターンを修得できると思います。
とりわけ、攻撃できそうなポイントを徹底してさらっているところがよいです。
会社法は結構ワンパターンなので、
この本で鍛えれば、殆どの問題に対処できてしまう気がします。

⑤ですが、
論証が相当に丁寧です。
基本書の記述よりよほど丁寧なことが多いです。


そして、⑥ですが、
担当問題数が辰巳の肢別本よりもはるかに多くて網羅的です。
そして、さすがに立案担当者が作っただけあって、
新会社法の重要な改正ポイントをきっちりとピックアップしてあります。
細かい部分でも取り上げられているので、
短答対策として非常に有益だと思います。

これに対して、弱点ですが、
まず、①解説がないことは、それほど気にはならないと思います。
なぜなら、問題提起が丁寧ですし、
法律論については、各自の基本書で調べることが出来るからです。

次に、②ですが、
これは、かえって、各自が答案にするときに
どこまで書くべきなのか、情報の取捨選択をする訓練になります。
太字や赤字を参考にそれを行えるとよいと思います。

おそらく一番の懸念は③だと思います。
しかし、立案担当者の見解だから評価が低くなるわけではありませんし、
立案担当者の見解に不満ならば、その時にこそ江頭先生の力を借りればよいだけです。
ですから、この点もさほど問題にはならないと思います。
どこが立案担当者の見解か分からない、ということもあろうかと思いますが、
立案担当者の見解を一部で取ったからといって特に問題が生じることはないと思います。
刑法のように、一部他説を採用したことで論理破綻が起こるおそれは
少なくとも司法試験のレベルにおいては、会社法ではないでしょう。
また、立案担当者の見解を知ることで、自説とする学説の立場の弱点を知り、
より説得的な論証ができるメリットもあると思います。

個人的には、立案担当者の見解かどうかよりも、
少し発展的な議論が足りていないと思うので、
そこの補充のほうが問題であると思います。
たとえば、江頭先生の教科書の注の部分に書かれているような議論であり、
かつ、商法判例集や百選に搭載されている裁判例のある議論などです。
これは判例集や江頭先生の本で補充する必要があると思います。

最期に誤植ですが、これはいたし方がないというしかないでしょう。
ネット上に誤植一覧データもありますから、
それをみて自分で修正するほかありません。
しかし、これも大した欠点ではないでしょう。


ということで、弱点もありますが、それをはるかに上回る長所があるので、
やはり、この本は秀逸だと思います。
一度会社法全体をざーっとまわしたら、
あとはこの本と判例集を読み込めばそれで十分で、
さらに余力があれば、江頭先生の重要部分を拾い読みしておけばよいと思います。
会社法事例演習教材は解説がないので自習はできませんし、
ゼミを組んだところで分からないものは分かりません。
ですから、まずは、こちらを徹底的にマスターすることが先決だと思います。
無理に背伸びをしても時間を浪費するだけです。






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