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民事法Ⅲ第9問第10問。訴訟承継とか補助参加とか。

民事法Ⅲがこれで半分終わりました。
不法行為をやる前に総則に言って、
それから不法行為をやる予定。

第9問は、賃貸人の交替。
潮見先生の教科書できっちりと説明されており、
それでも事足ります。

ただ、新賃貸人の賃料請求につき、
登記が必要かどうかという論点については、
この解説で詳しく説明されており、有用。
佐久間先生の物権の本でも解説されているので、
それを読むのもよいかもしれません。

敷金はこれまた潮見先生の本で必要十分な感じ。

訴訟承継についての解説は、やや物足りない感じですね。
訴訟承継の承継人の範囲の議論はなかなか理解しにくい部分がありますが、
訴訟承継は訴訟法上の要請から導かれるものなのだから、
①実体法上の権利義務関係とは切り離して、誰を相手とすれば紛争が解決できるか、
②そして、訴訟承継により承継人は従前の訴訟状態に拘束されることから、
そのような拘束をしても酷でないといえるか、というところから解釈するとわかりやすいと
思います。

このように考えると、実体法からは切り離されるので、訴訟物の承継がある場合に限らず、
(訴訟物の承継は、債務引受でもしない限り起こらないので、殆どない)
新請求と旧請求との主要な争点が共通であって訴訟資料が利用できる場合であり、
(①からの帰結。このような場合であると、承継人相手に訴訟をすることで紛争が解決できる)
承継人と相手方の紛争が、従前の当事者間の紛争から発展ないし派生した場合
(②からの帰結。このような場合、承継人は完全には独自の利益ではないので、拘束されても仕方ない)
には、承継を肯定できるという風になると解されているようですね。
で、このことを「紛争の主体たる地位の移転」と言う言葉で表現しているというわけです。


第10問は、転貸借。
転貸借は、転貸借固有の論点如何より、
論点においてある見解をとった場合にいかなる法律関係になるか、
の方が難しいと思います。
というか、本にあんまり載っていないんですよね。
その点、山本先生の本にはきっちり載っているのでおすすめです。

この問題で問われている論点自体は典型論点で
特に発展性があるものでもありません。
旧試の平成19年の問題の方がはるかに難しい。

民訴法からは訴訟参加の方法ということで、
一行問題のような出題です。
わりと簡潔に纏められていて、この解説は有用だと思います。

悩ましいのは、補助参加の利益の、「訴訟の結果」だと思います。
判例通説は、判決主文に限られるというのですが、
しかし、有力説は判決理由中の判断、といいますよね。
私は、判決理由中の判断も含むとするのが正当なのではないかと思います。

なぜならば、法律上の利害関係が、判決効が及ぶ場合に限らず、
事実上の影響でもよいとなると、後訴裁判所が既判力により、
前訴判決の判断に拘束され、それを前提として判決を出す場合ではなく、
既判力がないため、自ら事実認定をし、法適用をする場合にも、
補助参加ができるということになりますよね。
そうすると、既判力がない場合、前訴判決主文どおりの権利の存在を、
前訴判決で判断されたからという理由で当然の前提とは出来ません。
後訴裁判所は自分で事実認定、法適用をしなければならないわけです。
この場合、前訴判決の主文が影響を与えるといっても、
主文そのものが影響を与えるとはいえないでしょう。
たとえば、前訴裁判所で権利の存在が主文中で判断されていた、ということそれ自体が、
後訴裁判所に影響をあたえるということはないと考えるのが普通です。
つまり、既判力がないのですから、後訴裁判所は自分で前訴判決では存在が肯定された権利
のあるなしを判断しなければならず、この後訴裁判所の判断に事実上の影響をあたえるのは、
前訴裁判所で権利があると主文に掲げられたことではなく、
前訴裁判所が権利があると判断するに至った判決理由中の判断であるはずです。
判決主文だけみて、じゃあ自分もそう判断しようなんて裁判官がいるはずもなく、
前訴判決の証拠の評価、事実の評価、法適用といった判断過程を精査することで
後訴裁判所は前訴裁判所とおなじ判断に至る可能性がでてくるのであって、
判決主文を見ただけではおなじ判断に至る影響力があるとはいえないでしょう。

これに対して、既判力が及ぶ場合には、後訴裁判所は前訴裁判所の判決主文中の判断に
拘束されるのですから、判決主文に限っても当然影響がでます。

このように考えてくると、事実上の影響でもよい、と解する以上は、判決理由中の判断でないと、
意味がないはずなのです。

伊藤先生の教科書に至っては、605頁の注62において

「通説や一部の下級審裁判例が判決主文の問題とするのは、補助参加の利益と既判力を切り離すという前提に立っているにもかかわらず、なお既判力の作用を念頭に置いた誤解にすぎない」

と言い切っています。
最高裁判例も、どう考えても判決理由中の判断を対象としているとしか見れないもの(百選A40)
がありますし、
伊藤先生の見解が正当だろうと思います。
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